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ヒト臨床試験(ヒト試験)用語集

Intention-To-Treatの原則 [Intention-To-Treat Principle]

Intention-To-Treatの原則 (ITTの原則) とは?

ICH-E9では、以下のように定義されています。

治療に用いる治療方針により得られる効果は、実際に受けた試験治療ではなく、被験者を治療しようとする意図 (予定した試験治療規定) に基づくことにより最もよく評価できる、ということを主張する原則。この原則から、一つの試験治療グループに割付けられた被験者は、予定した試験治療のコースを遵守したかどうかにかかわらず、割付けられたグループのまま追跡され、評価され、解析されるべきであることが導かれる。

つまり、ランダム化された対象者を、実際に受けた介入の種類に関係なく、最初の割り付け通りに解析するという考え方です。これにより、以下の利点があります。

ランダム化の
恩恵を維持:
割り付け時点でバランスが取れている交絡因子を維持できる。
現実世界での
有効性の評価
(Effectiveness):
現実世界では消費者が介入を中断したり、変更したりすることが多いため、ITT は現実の状況をより忠実に反映できる。
バイアスの排除: 途中脱落や介入変更を解析から除外しないことで、観察バイアスが生じる可能性を低減できる。

ITTの種類

ITTはICH-E9で定義されているものの、研究者によって考え方が異なる場合があります。

よく使用される名称
Strict ITT:
  • 脱落データを全て含める: フォローアップが欠損している患者も含め、何らかの方法で解析する。
  • 治療変更や中止を考慮しない: 例えば、A群に割り付けられたにもかかわらず実際にはBの治療を受けた患者は、A群として解析する。
Modified ITT
(mITT):
  • 最低1回は介入を受けた試験参加者のみを対象とする。
  • 感染症試験などで「最初の培養検査で陽性が確認された試験参加者」のみを含むデータセットが用いられることもある。
  • 解析対象を制限するため、厳密なITTとは異なりバイアスのリスクが生じる。

ITT適用時の課題と解決策

ITTの原則を完全に適用するには、いくつかの課題があります。
その1つとしてデータ欠測への対応です。

Group Subject No. Visit 1 Visit 2 Visit 3
A 1 0.6 0.1 0.8
A 2 0.4 1.0 0.3
A 3 0.9 0.4
B 4 0.7 0.1 0.9
B 5 0.8 0.8 0.6
B 6 0.3 0.5 0.5

ITTは、脱落者を含めて解析するためデータ欠測をどのように取り扱うかを事前に決めておく必要があります。
欠測を補完するのか? 欠測を補完せずに解析するのか? など適切な統計手法を準備しましょう。

参考文献
  • 厚生省. ICH-E9 臨床試験のための統計的原則 (平成10年11月30日 医薬審第1047号)
  • European Medicines Agency. Guideline on missing data in confirmatory clinical trials. 2011.

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