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2025.06.26
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凝固反応は、損傷した血管から血液が血管外へ流出するのを防ぐ重要な生体防御機構です。この凝固反応において中心的な役割を果たすのがトロンビンです。
近年では、トロンビンの産生量を測定することで凝固機能を評価する「トロンビン産生試験」が注目されています。この試験は、従来のプロトロンビン時間 (PT) や活性化部分トロンボプラスチン時間 (APTT) とは異なり、生体内 (in vivo) での凝固反応や生理的条件に近い状態を反映できる検査として関心を集めています1)。
今回は、凝固初期に産生されるトロンビンについてご紹介します。
トロンビン産生機構の中でも、初期トロンビン産生 (TG) は、その後のトロンビン産生を大きく促進する、非常に重要な役割を担っています。また、ポジティブフィードバックによって第V因子、第VIII因子、第XI因子、さらに血小板を活性化させることで凝固反応を増幅させます。
つまり、初期TGが適切に制御されず、不十分または過剰に生じる状態は、出血性疾患や血栓性疾患のリスク状態を示唆する重要なバイオマーカーになり得るということです。
肥満マウスと非肥満マウスの初期TGを比較したところ、肥満マウスでは、初期TGが非肥満マウスと比較して有意に高くなっていました。同様に、肥満のヒトにおいても非肥満のヒトと比べて初期TGが上昇していました。このTG上昇の仕組みを明らかにするために、肥満マウスに組織因子 (TF) の活性を中和する抗体を血漿に添加し、初期TGを測定したところ、初期TGは著しく低下し、非肥満マウスと同程度まで減少しました。さらに、肥満マウスの血漿を高速遠心して得た再構成血漿を用いた検討により、血漿中に存在する凝固活性を有するTF発現シグナルの増加が、初期TG上昇に関与していると考えられました。これらの結果から、TF経路によって産生される初期TGを測定することは、肥満に伴う過凝固状態を評価する上で有用な手段となる可能性が示されました。
トロンビン産生能が高ければ血栓症のリスクが高まり、肥満はトロンビンを産生する能力が高いです。
従来の肥満指標はCT検査やウエスト周囲径等がございますが、初期TGの指標を組み込み、製品開発に、新たなエビデンスを加えてみませんか?
オルトメディコでは、トロンビン測定を含む食品を介入させるヒト臨床試験のサポートを行っております。
ご興味のある方は、お気軽にご相談ください!
【参考文献】
1) | Fripodi A : Thrombin generation assay and its application in the clinical laboratory. Clin Chem 62 : 699-707, 2016 |
2) | 神窪勇一ら. 新規の包括的血液凝固機能検査:凝固初期のトロンビン産生を解析する高感度トロンビン産生試験について. 臨床化学 53:17-24, 2024 |
3) | Yuichi Kamikubo et al. Tissue Factor Pathway–Driven Initial Thrombin Generation is Associated with Hypercoagulability in Obesity. Thromb Haemost 2025 |
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