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ヒト試験豆知識 第3回 超悪玉コレステロールほか

今回は、前回の続きとして、脂質系マーカーのうち特に“悪玉”と言われるLDLコレステロールをもう少し詳しく扱ってみたいと思います。

 

■小粒子化高密度LDLコレステロール(sd-LDLコレステロール、超悪玉コレステロール)

 

LDLコレステロールが悪玉と呼ばれているのは前回書いたとおりですが、近年、LDLの中でも粒子サイズが小さいもの(sd-LDLコレステロール)が、特に血管壁に付着しやすく、また酸化されやすいため動脈硬化、心疾患のリスクになることが明らかになってきました。すなわち、仮にAさんとBさんとでLDLコレステロールの全体量が同じでも、その構成が違えば、疾患のリスクも異なるということになります。仮にLDLコレステロールが異常値をとらなくても、sd-LDLが多ければ、動脈硬化のリスクが高いといえるでしょう。

 

脂肪分の高い食事をすることで、sd-LDLコレステロールの割合は増加します。したがって、メタボリックシンドロームとも関連が深いマーカーといえます。

 

 

 

 

■MDA-LDL

 

LDL粒子が活性酸素によって酸化したものを酸化LDLと呼びます。酸化した油は健康に良くないと言われているように、いかにも健康に悪そうですね。酸化しているため、血管の内部に傷をつけ、動脈硬化を進行させたり、血栓を作りやすい体質にしたりしてしまいます。そのためこちらも、“真の悪玉コレステロール”などと言われています。

 

MDA-LDLは様々な酸化コレステロールの1種で、特に量が多いものです。年齢差と性差が大きく、45歳以上の男性と55歳以上の女性は、他の年齢層に比べて値が高いことが知られています。食事の影響や日内変動はあまりありません。

 

下図は弊社で受託した試験結果の例です(2010年)。被験者としてはメタボリックシンドロームが疑われる成人男性を対象としています。

被験品を10週間摂取した群のsd-LDL (図1)および、sd-LDL/LDL比 (図2)が有意に低下し、さらにsd-LDL/LDL比の変化量については対照群との間に群間の有意差がみられました (図3)。以上の結果より、被験品の抗動脈硬化作用が示唆されました。

 

 

 

試験デザインと概算については、こちらをご覧ください。

抗動脈硬化試験

 

受託試験の研究実績はこちら↓

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脂質マーカーについて2回にわたり簡単に解説しましたが、いかがでしたでしょうか。弊社はモニター管理が重要なメタボ系のヒト有効性試験の実績も豊富です。↓↓HPからの見積り依頼もございますので、お気軽にお問い合わせください。

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参考文献

菅野剛史:小粒子化(高密度)LDL.日本臨牀 2009;67(suppl 8.):73-76.

中嶋克行,櫻林郁之介:MDA-LDL.日本臨牀 2009;67(suppl 8.):25-28.

 

 

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