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2024.11.21
前回は高血圧の数値や分類についてお届けしました。
血圧を下げるための薬である降圧薬にも
様々な種類があるのはご存知でしょうか。
降圧薬は下記の表に示すような薬や配合剤などがあります。
そこで今回は、各薬の代表的な作用と
副作用の例をご紹介いたします。
| 名称 | 作用 | 副作用の例など | 
| Ca拮抗薬 | 細胞膜上のCaチャネルに結合し細胞内へのCaイオン流入を阻害する。心筋へのCa流入を阻害して心収縮力を低下させ、心拍出量を低下させる。血管平滑筋へのCa流入を阻害して血管平滑筋を弛緩させ、末梢血管抵抗を減少させる。 | 【ジヒドロピリジン (DHP) 系】 低血圧、動悸、頭痛、ほてり感、顔面紅潮、浮腫、歯肉増生、便秘 など  | 
  
| アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬 (ARB) | アンジオテンシンⅡのAT1受容体に特異的に結合することでアンジオテンシンⅡによる強力な血管収縮、体液貯留、交感神経活性を抑制する。 | 高K血症、血管浮腫 など | 
| アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬 | アンジオテンシンⅡの合成に関わるACEを阻害することによりアンジオテンシンⅡの産生を抑制する。カリクレイン-キニン-プロスタグランジン系を増強する作用もある。 | 血管浮腫、空咳、高K血症 など | 
| 直接的レニン阻害薬 | レニンを直接阻害し、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系を抑制する。 | 血管浮腫、アナフィラキシー、高K血症、腎機能障害 など | 
| 利尿薬 | 腎臓でのNa再吸収を抑制し、循環血漿量を減少させる。サイアザイド系利尿薬には、長期的使用で末梢血管抵抗を低下させる作用もある。 | 代謝系では高尿酸血症、高中性脂肪血症、耐糖能低下など電解質異常では、低Na血症、低K血症、低マグネシウム血症 など | 
| β遮断薬 | 心筋β1受容体遮断による心拍数減少、心収縮力抑制による心拍出量の低下、腎臓のレニン産生の抑制、中枢での交感神経抑制作用などがある。 | 徐脈、心不全の増悪 など | 
| α遮断薬 | 交感神経末端の平滑筋側α1受容体を選択的に遮断し、末梢血管を拡張する。 | 初回投与現象として起立性低血圧によるめまい、動悸、失神 | 
| MR拮抗薬 | 腎臓の遠位尿細管および接合集合管のミネラルコルチコイド受容体 (MR) に作用してKの喪失なくNa排泄を促進する。 | 高K血症 など スピロノラクトンでは女性化乳房・陰萎、月経痛など  | 
  
| 中枢性交感神経抑制薬 | ●メチルドパ 降圧作用は、代謝物であるα-メチルノルアドレナリンによる中枢のα-アドレナリン作働性受容体の刺激、偽神経伝達、血漿レニン活性の低下等に由来するものといわれている。 ●クロニジン、グアナベンズ 延髄吻側腹外領域のα2受容体刺激により交感神経活動を抑制する。  | 
    ●メチルドパ 立ちくらみ など ●クロニジン、グアナベンズ 眠気、口渇、倦怠感、陰萎 など  | 
  
| 血管拡張薬 | ヒドララジン →直接血管平滑筋に作用して血管を拡張させる。  | 
    狭心症、頭痛、動悸、頻脈、浮腫 など | 
| ● | 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会, 高血圧ガイドライン 2019, 2019:76-93, 253-275 | 
| ● | 岡庭豊, 病気がみえる vol.2 循環器 第 5 版, 株式会社メディックメディア, 2021:99-103, 376-396 | 
| ● | 笠原祐二, レニン阻害剤, 日大医学雑誌, 2014; 73 (1): 14–16 ja (jst.go.jp) | 
| ● | 鶴原製薬株式会社, メチルドパ錠 (ツルハラ) 125、メチルドパ錠 (ツルハラ) 250 添付文書 00026160.pdf(japic.or.jp) | 
患者の年齢やその他持病の有無などで、選択する薬が変わります。
効き目に個人差があるので、医師が様子を見ながら薬を処方します。
薬の副作用は、服用している本人だけでなく、
家族など周りの人も知っておくと安心ですね。
次回は高血圧の治療のうち、生活習慣の修正※についてお届けします。
※情報提供を中心とする生活習慣の改善と区別して、
医療者の関わりの中で、生活習慣に対して計画的に介入を行うため「生活習慣の修正」としております。
(参考文献:日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会, 高血圧ガイドライン2019, 2019:48)
オルトメディコでは、
血圧が高めの方へ適する食品の
エビデンス取得も承っております。


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