「新規の対象者(属性)× 機能性(ヘルスクレーム)」を狙うにあたり、最も重要な戦略は、一つの臨床試験の中で、対象者特性を示すデータと、ヘルスクレームとしたい結果(アウトカム)の両方を示すことです。
同じ介入を用いた研究であっても、対象者の属性データ(例:特定の生活習慣、特定の生体マーカーの数値)と、最終的な機能性(例:疲労感の軽減、肌水分の向上)を別々の文献から参照してつなぎ合わせて機能性表示食品への届出を行うことは、非常に困難です。
試験の設計段階で、「対象者の属性」と「アウトカム」の両方を、一つの臨床試験の中で同時に証明する一気通貫の試験デザインを構築することが大前提となります。
① 対象者の属性について
近年では、対象者の属性として腸内環境データを活用する事例が増えています。
例えば、
- ・腸内環境と睡眠
- ・腸内環境と肌状態
- ・腸内環境と体脂肪
- ・腸内環境とストレス
といったテーマが注目されています。
ここで重要なのは、「どの菌を増やせば良いか」ではなく、「どのような腸内環境を持つ方が、どのような特性を有しているのか」を把握することです。その結果、「どのような対象者を募集すると効果が見えやすいか」という試験設計の精度向上につながり、新しいヘルスクレームの仮説形成にも活用できます。
② アウトカムについて
機能性表示食品を目指す場合、届出表示と主要アウトカムは、基本的に一致または強く対応している必要があります。表示したい機能を直接支える評価項目としてふさわしい主要アウトカムを設定するためには、先行研究の精査だけでなく、プレ試験を実施することが重要です。
プレ試験は、本試験の実施可能性の検討や手順の確認を目的に行われる試験のことです。最初から主要アウトカムを1つだけに絞り込んで本試験に臨むと、有意差が確認できなかった場合、試験全体が失敗に終わるというリスクもありますが、プレ試験を「アウトカムの選別と順位付けの場」として活用することで、アウトカムの候補をあらかじめ網羅的に測定しておき、効果量が大きく、本試験でも再現性が高そうなアウトカムを厳選することができます。
プレ試験を実施することで、適切な主要アウトカムを確立するとともに、「効果量」を明確にし、それに基づいてサンプルサイズを算出して「検出力」を担保した本試験を設計することができます。
【関連情報】
- ・文献・届出情報から訴求を考える:オルトメディコレポート(過去のレポートをみる)
- ・生活者やモニターの関心を把握する:ゴー・トーロクレポート(過去のレポートをみる)
- ・新規ヘルスクレームについて直接相談する:[ヒト臨床試験・届出について相談する]












