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今週の担当、学術・解析担当の市川と申します。

解析担当ということで、ヒト試験の際に行う分析・解析について、基本的な考え方をお話ししていこうと思います。

 

1回目ということで、どういうときに食品の効果があると見なすことができるかについて、お話しします。できるだけ簡単にお話ししますので、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

 

食品やサプリメントが効果を持つかどうかを判断するときには、その効果を表すことのできるマー カーを測定し、食品の摂取前後でそのマーカーが変化したかどうかを調べます。例えば、高脂血症の改善効果を検討したい場合には血中の脂質をマーカーとしま す。高血圧に効く食品の効果を確かめたいのであれば、血圧がマーカーとなるでしょう。

 

それでは、どのような場合に、そのマーカーが変化したと言うことができるのでしょうか?食品の摂取により、あるマーカーが変化したかどうかを評価する際には、主に下記2点から検討を行います。

 

(1) 試験食品の摂取前後で変化が生じたかどうか。
(2) 試験食品摂取による変化において、被験品群と対照群 (プラセボ群)との間に差が認められるかどうか。

 

一見(1)だけで良さそうに思えるかもしれませんが、厳密には(1)だけで試験食品の機能を評価 することはできません。例えば、食品を摂取した30分後にマーカーの値が変化したとしても、それが時間経過による自然な反応なのか、それとも食品の効果に よる反応なのかを判断することができません。また、長期反復摂取試験のように、長期間に渡る試験を行う場合、季節や気候の変化によりマーカーの値が変化す ることがあります。

 

そこで、比較の基準として、摂取する食品以外の条件を揃えた対照群(プラセボ群)を準備して、変 化の仕方を比較するのです。例えば、被験品群においてマーカーが上昇したとしても、プラセボ群も同じくらい上昇していれば、被験品に効果があったとは言え ないでしょう。逆に、仮に被験品群でマーカーが増加も減少もしなかったとしても、プラセボ群のマーカーが減少していれば、被験品にはマーカーの減少を抑制 する効果があるのかもしれません。

 

このように、食品の機能を評価する際には、対照群を準備して比較することが大切なのです。また、被験品群とプラセボ群とで変化の仕方を比較する場合、摂取後のマーカーの値から摂取後のマーカーの値を引き算して変化量を算出し、変化量同士を比べることも有効です。

 

これからも、ヒト試験の時に使われている技法、考え方についてご紹介していこうと思います。次回をお楽しみに!!

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