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ヒト試験注目トピックス~番外編~

皆さんはラーメンをよく食べられますか?

 

こんにちは!
臨床学術課の横須賀と申します。
入社してもうすぐ1年経過しますが、まだまだフレッシュさを心掛け仕事に取り組んでいきたいと思っているこの頃です。

 

さて、臨床学術課では、今年の1月より隔月でハイジャーナルに掲載されたヒト試験や、マニアックなヒト試験、面白いヒト試験をご紹介させていただいております。
国内外で実施された様々なヒト試験の中から、皆様の好奇心をくすぐる様な文献をご紹介できるよう頑張ります!
…と意気込んでみましたが、たまには調査中の息抜き(?)に、趣味に関連した文献を紹介してみたいと思います。

 

突然ですが、皆様は「ラーメン」を召し上がりますか?
私は週に一回はラーメン店に行きます。
普段は健康的な食生活を心掛けているのですが、たまには好きなものを好きなように食べることにしています。

 

いつものようにラーメン店の行列に並んでいる最中に、ふと、ラーメンは健康にどのような影響を及ぼしているのか気になりました。
そこで、今回はラーメン店の分布と脳卒中の関連を検証した論文をご紹介いたします。
↓↓↓
Matsuzono K, Mieno M, Fujimoto S. Ramen restaurant prevalence is associated with stroke mortality in Japan: An ecological study
Nutr J. 2019;18(1):1–6.
DOI: https://doi.org/10.1186/s12937-019-0482-y

 

脳卒中は世界的にも主要な死亡原因とされており、塩分と炭水化物は脳卒中の危険因子とされています。脳卒中と食事または季節の温度との関連に関する研究がされていますが、因果関係については未だ明らかにされていません。

 

ご紹介の論文の筆者らは、塩分と炭水化物を多く含むラーメンが脳卒中の死亡率と関連していると仮定し、ラーメン店の分布と脳卒中の死亡率の間に相関性があるか調査しています。
調査の結果から明らかになったことは、人口当たりのラーメン店の店舗数が多い地域ほど、脳卒中による死亡率が多かったことです。

 

具体的に、東北地方、北関東および九州南部は脳卒中による死亡率が多く、ラーメン店の店舗数の割合も同様に多いことが認められ、人口当たりのラーメン店の店舗数と脳卒中による死亡率の散布図では正の相関が確認されました。

 

対照的に、近畿地方と南関東での脳卒中死亡率は低く、ラーメン店の店舗率も少ないことが確認されています。この研究では比較対象として、フランス料理とイタリア料理、うどんまたはそば、ファストフードの店舗の分布と脳卒中の死亡率との関連も調査しましたが、比較対象のいずれにも相関は見られませんでした。

 

著者らは、脳卒中死亡率とラーメン店の店舗率が低い地域に関する特徴を3点考察しています。1つは、ビジネスを機能させるにはラーメン店だけでは不十分であり、豊富な品揃えのあるレストランを要すること。2つ目は、東京や横浜、大阪および京都といった都市部では、健康な食生活が推奨されていること。3つ目は、近畿地方や南関東などの海に近い地域は、食品を保存する必要がないため塩分を施した保存食を必要としなかった歴史的な背景があったことです。

 

個人的な解釈ですが、外食する場合毎日同じ店では飽きてしまうことから、様々な種類のレストランが必要とされているのではないかと思います。さらに、都市部には多くの広告があふれており、健康に関する広告も多く掲げられていることから、過度な不摂生を控える意識が働いたと思います。また、海が近い地域では新鮮な食材を生かした料理店の店舗率が他の地域よりも比較的高かったのではないかとも思います。

研究には限界が付きもので、あくまでもこの研究ではラーメンの食数ではなく店舗率と脳卒中の死亡率との関連を調査しており、ラーメンが直接脳卒中に関連しているかは明らかになっていません。しかし、ラーメン店の分布と脳卒中による死亡率には相関が見られたことは注目すべき結果であると思えます。

普段何気なく食べている食事と健康の関係については、やはり多くの方が注目しているようです。普段から健康に気を付けている身として、食と健康の関連についてはしっかりとしたエビデンスを今後も取得していきたいと思います。

これからも常に最新情報を仕入れ(ときどき趣味に高じた情報など)、高品質なヒト臨床試験をご提供するために精進いたしますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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