6月も明日で最後となり、日差しにはすっかり夏の力強さが感じられるようになってまいりました。
早くも厳しい暑さが続いておりますので、体調にはどうぞお気をつけください。
第11回目となる本クイズは、臨床試験報告に関する統合基準であるCONSORT 2010の更新版、CONSORT 2025の解説論文
『馬場亜沙美ら. CONSORT 2025 explanation and elaboration: updated guideline for reporting randomised trialsの和訳 (2). New Food Industry, 2025, 67(8): 447-470』の、臨床試験報告における透明性を高めるために新規追加された項目「Item 24b」から出題いたします。
【第11回】論文関連クイズ
- Question
2011〜2021年の心血管系臨床試験のレビュー(164件)において、併用療法の報告が不十分だった試験にはどのような傾向が示唆されましたか?
- A. 治療効果の推定値が実際よりも小さく見積もられる傾向があった。
- B. 治療効果の推定値が大きい傾向にあることが示唆された。
- C. 介入群と対照群の間で、患者のランダム化が完全に失敗していた。
- D. 副作用の発生率が報告不十分な試験ほど低く抑えられていた。
- Answer
【B】
臨床試験において「併用療法」の報告が不適切であると、試験の治療効果が実際よりも大きく見積もられてしまう過大評価のリスクがあります。
実際のレビュー(2011〜2021年の心血管系臨床試験164件)でも、報告が不十分な試験ほど治療効果の推定値が大きい傾向にあることが示唆されました。
この問題への対処法として、論文では各グループで関連する併用療法を受けた「参加者の数と割合」を明確に報告する必要があります。
さらに、関連性がある場合には、試験期間中に受けた各併用療法の「累積または平均データ(曝露データ)」まで記載することが求められます。
このようにデータの透明性を高めて公開することこそが、意図しないバイアスを抑え、読者が治療効果を正しく評価できるようにするための不可欠な対処法です。
今後もこの【論文関連クイズ】では、弊社執筆論文の要点をクイズ形式でお届けいたします。
次回もぜひお楽しみに!
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