いつもお世話になっております。
今回はニュートリゲノミクスについて、統計解析の視点からクイズをお届けいたします!
ちょっとした息抜きや、知識の腕試しとしてもお楽しみいただければ幸いです。
クイズに行き詰まったら、統計解析.comのコラムを覗いてみてください!
問題のヒントが書いてあります!
- Question
Q1: DNAマイクロアレイ解析の特徴および限界に関する記述として、最も適切なものはどれですか。
- A. 未知の転写産物や新規スプライシングバリアントを網羅的に探索するための最適な手法である。
- B. 遺伝子発現量の絶対値を厳密に定量することに特化しており、条件間の相対的な比較には適していない。
- C. 解析対象はプローブが用意されている既知の遺伝子に限られ、未知の転写産物を探索することは原理的に困難である。
- D. RNA-seqと比較してデータ量が膨大になるため、解析パイプラインが未だに確立されていない。
Q2: 2色マイクロアレイ (cDNAマイクロアレイやAgilentなど) の特徴とデータ処理に関する説明として、正しいものはどれですか。
- A. すべてのサンプルを同一の蛍光色素で標識するため、データ構造が単純であり色素間差を考慮する必要がない。
- B. 同一アレイ上で2条件を直接比較できる利点がある一方、強度依存性バイアスなどを補正するLOWESS正規化などの処理が不可欠である。
- C. 1つの遺伝子に対して複数の短いプローブを配置し、RMA (Robust Multi-array Average) という専用手法で一括処理を行う。
- D. 未知の突然変異をスクリーニングするために、Cy3とCy5の蛍光色素を用いてDNA塩基配列を直接決定する。
Q3: 1色マイクロアレイ (GeneChipなど) による解析において、quantile normalization (分位点正規化) などの処理が重要となる主な理由として、最も適切な記述はどれですか。
- A. 異なるアレイ間でデータを比較する際、チップごとの測定条件やスキャン条件の違いによる分布やスケールの違いを補正する必要があるため。
- B. 2つのサンプルを同一アレイ上で競合させる際、蛍光色素ごとの発光効率や退色特性の違いによる系統的な強度差をなくすため。
- C. RNAの逆転写過程において生じたcDNAの増幅バイアスを、プローブの結合強度から逆算してキャンセルするため。
- D. 細胞内に存在するすべてのタンパク質の発現量を、同一のスケールで相対評価できるように変換するため。
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- Answer
Q1: 正答: C
解説:
資料には、DNAマイクロアレイは「解析可能なのはプローブが用意されている既知の遺伝子に限られる」ため、未知の転写産物の探索は原理的に困難であると明記されています (選択肢Cが正答)。RNA-seqとは異なり新規バリアントの探索には不向きであり (選択肢Aは誤り)、絶対値よりも相対的な変動の比較に適した手法です (選択肢Bは誤り)。また、長年の利用実績から解析パイプラインは比較的確立しています (選択肢Dは誤り)。Q2: 正答: B
解説:
2色マイクロアレイは2条件を直接比較できる利点がありますが、色素間の強度差や「強度依存性バイアス」が生じやすいため、LOWESS正規化を用いた補正が不可欠とされています (選択肢Bが正答)。同一色素で標識するのは1色マイクロアレイであり (選択肢Aは誤り)、RMAを用いるのは1色マイクロアレイの代表格であるGeneChipの特徴です (選択肢Cは誤り)。塩基配列を決定する手法ではありません (選択肢Dは誤り)。Q3: 正答: A
解説:
1色マイクロアレイは1サンプルにつき1枚のアレイを用いるため、異なるアレイ間でデータを比較する際に「チップごとの測定条件やスキャン条件の違いが結果に影響しやすい」という特徴があります。そのため、アレイ間の分布やスケールの違いを補正する正規化 (quantile normalizationなど) が重要になります (選択肢Aが正答)。色素間の補正 (選択肢B) は2色マイクロアレイにおける課題です。タンパク質の定量 (選択肢D) や逆転写バイアスの直接補正 (選択肢C) は主な理由として不適切です。
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