■【第5回】クイズ
- Question
Q1: 臨床試験の途中で解析計画の変更が必要になった場合、「主要な変更」として統計解析計画書(SAP)のみならず、試験プロトコル自体の改訂も伴うものはどれでしょうか?
- A. p値の計算における補助的な正規化手法の変更
- B. 臨床的有意性を補完するためのサブグループ定義の見直し
- C. 主要評価項目および主解析手法の変更
- D. 探索的なデータ解析におけるFDR(偽発見率)の調整手法の追記
Q2: JAMA誌等で推奨されるSAPガイドラインにおいて、「中間解析」を実施する際に、第一種過誤(偽陽性)の増大を防ぐために事前に明記すべき事項はどれでしょうか?
- A. 中間解析の実施時点と、それに応じた有意水準(p値)の調整方法
- B. 欠測値が生じた場合に行う多重代入法の具体的なアルゴリズム
- C. 臨床的有意性が認められなかった場合に備えた、新たな主要評価項目の追加規定
- D. 外れ値を特定し、データセットから除外するためのデータ正規化の閾値
Q3: 臨床試験の解析対象集団(Analysis Set)に関する規定において、治療方針の有効性を実際の臨床現場に近い形で評価するため、ITT(Intention-to-Treat)の原則に可能な限り近づけることを意図して設定される解析対象集団はどれでしょうか?
- A. プロトコルに完全に適合し、FDR(偽発見率)の影響を受けにくい Per-Protocol Set (PPS)
- B. ITT(Intention-to-Treat)の原則に則り、無作為化されたすべての被験者を可能な限り含める Full Analysis Set (FAS)
- C. 正規化されたデータのみを抽出し、外れ値を完全に除外した Complete Case Set
- D. 臨床的有意性を示すために、主要評価項目のp値が0.05未満となる被験者のみを集めた集団
- Answer
Q1: 正答: C
解説:
主要評価項目や主解析方法の変更は、試験の根幹に関わる「主要な変更」であり、SAPだけでなくプロトコル両方の改訂が必要です。一方、サブグループの定義見直しや補助的な解析手法の追加などは「軽微な変更」に分類され、通常はSAPのみの改訂で対応可能です。Q2: 正答: A
解説:
中間解析を複数回行うと、全体としての第一種過誤(有意ではないのに有意と判定してしまう確率)が増大します。そのため、SAPには中間解析を行うタイミングと、全体の有意水準を保つためのペナルティ(有意水準の調整方法)を事前に明記する必要があります。その他の選択肢は中間解析特有の規定ではないか、不適切な対応です。Q3: 正答: B
解説:
Full Analysis Set (FAS) は、ITTの原則に可能な限り近づけた最大の解析対象集団であり、脱落やプロトコル逸脱も含めて評価するため、実臨床に近い結果が得られます。一方、PPS(Per-Protocol Set)はプロトコルに完全に適合した被験者のみを対象とし、介入の純粋な有効性を評価する目的で使用されます。Dのような恣意的な集団選択は深刻なバイアスを生むため絶対に避けるべきです。
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